【在宅医療の現場から】亜鉛が不足するとどうなる?高齢者にこそ気をつけたい栄養素
- 賢一 内田
- 6 日前
- 読了時間: 2分

「脱毛や味覚障害、食欲不振が続いている…」そんなご高齢の方、実は亜鉛不足が隠れているかもしれません。
■ 亜鉛不足で起こる症状
亜鉛が不足すると、次のような症状が現れることがあります:
脱毛
皮膚炎
貧血
味覚障害
食欲不振
下痢
どれも在宅医療でよく見かける症状ばかりですね。特に高齢者の場合、こうした症状が「加齢のせい」と見過ごされてしまうことも少なくありません。
■ 亜鉛不足を起こしやすい病気とは?
次のような慢性疾患がある方は、特に亜鉛欠乏に注意が必要です:
慢性肝疾患
糖尿病
腎不全
慢性炎症性腸疾患
高齢者に多く見られる病気ばかりですね。
■ 亜鉛欠乏の診断と目安
血清亜鉛値の正常値は 80~130μg/dL。60μg/dL未満であれば、亜鉛欠乏症と診断されます。
また、**ALP(アルカリフォスファターゼ)**という酵素の値が低いことも、亜鉛欠乏の参考所見になります。気になる場合は、血中亜鉛濃度の測定もおすすめです。
■ 補充するにはどうすれば?
処方薬で亜鉛を補う方法として、以下の2つがあります:
✅ プロマックD(亜鉛含有の胃潰瘍治療薬)※保険適応外だが薬価は比較的安価。
✅ ノベルジン(低亜鉛血症治療薬)※保険適応あり。ただし薬価が高く、25mg錠で269.5円、50mg錠で422.3円。1日2錠(25mg)で処方した場合、1か月の薬価は16,170円となります。
費用面を考慮するなら、プロマックDの使用も一案です。
在宅医療の現場では…
在宅医療の現場では、慢性的な亜鉛欠乏が症状悪化の一因となっているケースもあります。何となく元気がない、食事量が減ってきた、皮膚が弱くなったなど、気になる変化があれば、亜鉛の視点からもチェックしてみる価値があります。
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