リハビリは30年前と比べて治療成績が悪くなっているとのことです。
筆者はその理由は、額に汗する地道な治療が少なくなってきたためではないかと言います。私自身もリハビリの感じが、良くも悪くもオシャレというかライトになっているなぁと感じています。
本書でも患者さん自身が筋活動を伴う訓練を行わなければならないとし、その訓練として起立―着席運動を勧めています。起立―着席運動とは、手すりと椅子さえあればでき、手すりに捕まって立っては座わるというのを繰り返す簡単な訓練です。筆者の病院では2時間近くかけて起立―着席運動を1日400~600回も!行っているそうです。このリハビリによって、目覚ましい治療成績を上げた症例が本書で何例も紹介されています。また、副次的な効果として、嚥下・呼吸機能の改善、麻痺側の改善、排尿・排便障害の改善などもあるようです。
面白いと思ったのは、筆者の病院では、運動能力の改善のために肥満の人は低カロリー食で減量をします。起立―着席運動+減量で成果を上げた症例も取り上げられていました。
いままで起立訓練の効果は知っていたのですが、今後さらに患者さんに啓蒙していきたいと思っています。
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