top of page

在宅診療における高齢者の下痢について

下痢症状を認めた場合の生活指導として、水分を積極的に摂ることを指示します。水分を摂るとますます下痢をすると考え、水分摂取を控える方がいます。しかし、下痢によって体から水分が失われますから、むしろいつもより水分は多く摂らなければなりません。水分以外にミネラル分も失われるため、飲む点滴といわれているOS-1がよいのですが、あまり美味しくないのでリンゴジュースやスポーツドリンクなどでも問題ありません。そして胃薬を内服していないかどうか確認することが必要です。PPIの副作用に下痢があるので、疑わしい場合はPPIを中止します。

下痢は、有害物質を体外に出す防衛反応という解釈もできるため、無理に止めることはいいことではありません。特に急性下痢症の場合、止痢薬(下痢止め)はできるだけ使わないほうが良いです。処方するとしたら、整腸剤や漢方薬にします。西洋医学では整腸剤や止痢薬を処方するくらいしかできませんが、東洋医学では対応できます。整腸剤は続けながら、漢方薬を処方することにしました。

処方としては、真武湯合人参湯(真武湯 7.5g 分3 毎食前、人参湯 7.5g 分3 毎食前)

You Tubeにて在宅診療の知識を学んでみませんか?☟より

 


最新記事

すべて表示

体質に合わせた漢方薬: 風邪に葛根湯より適した選択肢 #高齢者

風邪に対する漢方薬として有名なのは葛根湯です。 しかし、漢方薬は病名に対して使うのではなく、その人の体質や状況に合ったものを選ばないといけません。 葛根湯は「 体力が中等度以上で、風邪の引き始めでゾクゾク寒気がして、汗をかいていない方 」に使うと良いと言われています。...

認知症とパーキンソン病の関係性

認知症患者さんには、一定程度パーキンソン病に類似した症状見ることが多々ありました。とりわけ、これは外勤(医師は常勤先以外にも外勤として他院でパートタイムで働くことがあります)。この外勤先は、整形外科がメインの地域で信頼されている病院ですが、脳外科の外来には「ちょっと認知症を...

Kommentare


bottom of page