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高齢者の脱水評価と在宅医療~高齢者医療は脱水との戦いです

以前勤務していた病院の看護師さんのお母さんが痩せ薬として飲んでいたのが、利尿剤だったという笑えない話を聞いたことあります。ボクシングなどでも計量前にサウナで脱水となり計量に挑むのは有名な話です。高齢者医療においても脱水との闘いは大変です。最近では夏場はクーラーをつけて熱中症予防が浸透しており、逆に冬場の暖房で脱水も高齢者医療ではよく見受けられます。口腔内乾燥(口腔粘膜や舌乾燥、舌縦皺)は脱水評価として感度は高いのですが、口呼吸でも認められるため、特異度は低いです。→つまり口腔内が湿潤していれば脱水はないが、口腔内が乾燥していても必ずしも脱水とはいえないということです。腋窩乾燥は特異度の高い所見のようです。ただ、眼窩乾燥まで及ぶ場合は、かなり稀です。病院では採血にて脱水評価を容易にできますが、在宅診療では採血は結果報告が翌日なので、その場の判断には使えません。

こうした場合、ポケットエコーで脱水評価が有用です。具体的には下大静脈(IVC)径を測定します。IVCは大動脈の横にあり、エコーで簡単に描出できます。慣れれば30秒くらいで評価できるので、在宅では非常に有用な検査です。

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