今回より各論シリーズとして自身が経験し悩みだ症例、失敗して症例を共有していきます。
画像は自験例としての鬱滞性皮膚潰瘍、鬱滞性脂肪織炎の画像であり、約3カ月の経過でここまで改善しております。
この患者さんは救急搬送にて蜂窩織炎の診断にて外用剤投与にて症状増悪より、当クリニック介入の経緯の患者様です。後医は名医という格言もありますが、これは誤診と考えます。
まず一般論として、鬱滞性静脈炎が生じ、うっ滞性皮膚炎となり、これが悪化し皮膚潰瘍に進行します。
また鬱滞性脂肪織炎となる場合もあります。
主病態は脈管の炎症によるものですから、当然下層の脂肪組織にも同様の炎症は波及するか場合もあります。
脂肪組織は皮膚より血管の密度が少ないと思われますので、脂肪組織の炎症は皮膚炎、皮膚潰瘍に続発する二次性の変化と考えてられます。
写真について下腿の潰瘍はうっ滞性皮膚潰瘍に典型的な部位です。
足部の外側については部位的には非典型的です。動脈のフローも悪い可能性があります。
これに対して在宅で出来ることは
①足背A,後脛骨Aの脈圧のチェック(主幹動脈の開存の確認)
②爪床部で圧迫して毛細血管の血流の戻りの時間(capillary refill time)をチェック(毛細血管レベルでの循環動態の確認)
です。
※②チェックの際は坐位や立位ではなく臥位、可能であれば患肢挙上位がベストです。
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